2016年8月19日金曜日

インシデント管理で何がしたかったんだっけ?
~ITSM活動の目的とビジョンをもう一度振り返ろう~

こんにちは。流行りのナイトプールが気になって仕方がない志波です。


最近、ITサービスマネジメント(以下、ITSM)に取り組まれている担当者の方とお話させていただく際に、
 ・ITSMの活動を始めたものの、成果に上手く結びついていないな
 ・登録をしているけど次に何をすればいいのかわからない
 ・成果が出ているのか分からないけど成果を報告しないといけなくて困っているよ
という声を少なからず耳にします。

今回は、ITSMの活動を続けてきたみなさんやこれから始めたいみなさんと一緒に、ITSM活動の目的やビジョンを考えていきたいと思います。

1.活動の目的とビジョンを考える                  


さて、みなさんはITSMの活動を始めるにあたり、何を期待していましたか?
また、これから始めるにあたり何を期待していますか?

 ・あの人がいないと対応ができないという状態をなんとかしたい(属人化の解消)
 ・仕事の流れ(プロセス)をわかりやすくシンプルにしたい(業務プロセスの見える化・シンプル化)
 ・監査で、作業証跡やプロセスについて指摘されないようにしたい(監査対策)
 ・ユーザニーズや世間のニーズに応えたい(更なる業績やサービス品質の向上)
 ・トラブルが起こる日常をなんとかしたい(安定した業務の実現)
 ・ベンダ毎に報告内容や対応方法がばらばらでなんとかしたい(ベンダコントロールの実現) ・・・etc

こうした様々な期待が、『ITSMを取り組む目的』(=目指すべきビジョン・将来像)となるわけですが、この目的がしっかりしていないと、取り組みを続ける上に『そもそも何がしたかったのか』がぶれてしまいます。取り組みの目的が後々ぶれてしまわないよう、企画書などに”目的を明文化する”ことをおすすめします。

”目的を明文化する”ことで、目指す目標がわからなくなったときに振り返りができたり、後任へ引き継ぐ際にも主旨や目的が正しく引き継げるため、『活動が形骸化しにくい』などといったメリットがあります。

-前任から引き継いだけど、何を目的にした活動か分からないし、上司にも成果を報告しないといけなくて困っている・・・という話をよく聞きますので、ぜひぜひこの機会に。

また、目的を考える上で大切なことは『どうなりたいか』というビジョン(状態目標)です。

ひとまずは、目先の事態やトラブル解消を目的とした活動で構いませんが、『それらが解消された先に目指すべきビジョン(どうなりたいか、どうなっていたいか)』を考えることが取り組みを続ける上で大切なキーになります。KPIを立てるのが難しいという声もお聞きしますが、困ったときには『どうなりたいか』というビジョンを考えると立てやすいかと思います。

 参考:前回記事「インシデント管理と問題管理のKPI改善に向けた初めの一歩

また、目的を定めることが難しい場合は、『何に困っていてどうしたいか』を考えてみると、分かりやすいかもしれません。

2.活動の妨げとなる要因を押さえ、継続して取り組める活動にする   


では次に、活動を続ける上で成果の妨げとなる要因について考えていきましょう。
しっかりと活動が継続できている場合は問題ありませんが、上手くはいっていないケースの方が上手くいっているケースよりも多いのではないでしょうか。

それでは、何が活動の妨げになっているのでしょう。

 ・活動の継続するためのルールが多く、現実的に守ることが不可能・困難(複雑なルール)
 ・せっかく定めたルールが徹底されない、浸透していない(ルールの不徹底、管理者不在)
 ・経営層に活動を継続する目的を問われ、予算取りや人の確保が大変(経営層への説明不足)
 ・運用ルールにツールがついてこれない(業務に合わないツール)
 ・報告用の資料を作ることに膨大な時間がかかる(時間のかかる報告書作成) ・・・etc

このような話は特によく聞きます。

それぞれ原因が異なるため、一概にこうすべきだと提言することは難しいですが、活動を継続することで大切なことは、
 ・ルール、業務プロセスがシンプルであること(シンプルなルール)
 ・管理プロセス毎の目的が定義され、公開されていること(目的の見える化)
 ・また、目的に則した現状が利用者、管理者に公開されていること(状態の見える化)
 ・少ない管理工数で運営ができること(手のかからない運営)
かと思います。

とはいえ、始めからガッチガチにルールを考えるとなかなか活動が開始できなかったり、スモールスタートという言葉にあやかって『まずは始めてから考えようよ』と始めたけど、結局、最初の状態のまま何年も続けてしまっているということもあるかと思いますので、ぜひ始める際には”活動の振り返りを行うタイミングを定義”してください。

参考までに、上手く運営されている企業様の事例を紹介します。

<A社事例(ヘルプデスクでインシデント管理活動を取り組んでいる)>
 ・日次 :当日の発生インシデント件数・対応状況・困り事項の共有
 ・月次 :当月の発生件数、クローズ件数、オープン件数の集計、発生傾向の分析
 ・年次(or四半期) :1年間(or四半期)の活動を通しての実績、課題の共有、改善点の検討
  →翌年(or次四半期)で、改善点の改善を行う

<B社事例(全国拠点のヘルプデスクでインシデント管理活動を取り組んでいる)>
 ・リアルタイム :全国拠点向けに、拠点毎のKPI遵守率、上位ランキング、下位ランキングの公開
 ・月次 :当月の発生件数、クローズ件数、オープン件数の集計、発生傾向の分析
 ・年次(or四半期) :1年間(or四半期)の活動を通しての実績、課題の共有、改善点の検討
  →翌年(or次四半期)で、改善点の改善を行う

活動の振り返りや情報共有を行う頻度は関係者の人数や活動範囲によって様々かと思いますが、活動を継続的に改善し、よりよい活動とするためにも振り返りは必要です。活動を始める際には、そうした振り返りを”いつ、どのタイミングで行い、改善していくのか”を決めましょう。

・ ・ ・

さてさて、今回は、ITSM活動にフォーカスをあて、活動を運営するための目的やビジョンについて触れました。まだまだお伝えできていないことや、上記の内容よりも良い方法もあるでしょう。
 
ITSM活動に関わらず、業務上何かしら活動を行う上でも、目的やビジョンがしっかりしていないと活動自体が形骸化してし、意味のないものになってしまいます。何がしたかったのか、何がしたいのか分からなくなったときには、今回触れたような原点に帰ってみるのもありだと思います。原点に帰った結果、もう今は必要ない活動であれば、終止符を打つのも手だと思います。

それでは、みなさんの活躍を祈願しまして、今回はお開きにしたいと思います。

 参考:ユニリタが提唱するITSMツール「LMIS on cloud

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